①業績は上向き(授業料値上げと販管費削減効果)
②高配当(配当利回り率 4%)
③チャートは底打ち ⇒ 反転
4714 リソー教育の基本情報
【URL】https://www.riso-kyoikugroup.com/
【決算】2月
【特色】首都圏地盤に個別指導受験塾『TOMAS』。幼児教育『伸芽会』、家庭教師派遣、英会話も
【業種】他個人サービス・製品 時価総額順位 18/115社
リソー教育は首都圏地盤に個別指導受験塾『TOMAS』を展開している会社です。幼児教育『伸芽会』、家庭教師派遣や英会話事業も行っています。主力事業は『TOMAS』で全体の売上の52.5%(23年2月期)を占めています。
少子化が進む昨今なので、塾業界は先細っていく一方なのではと思ってしまいますが、「子供1人あたりにかける教育費」は増加傾向らしく、首都圏では私立中学校への受験者数も少しずつ伸びているようです。
リソー教育のTOMASは個別指導で「1部屋に生徒1人先生1人で完全マンツーマン」というところに独自性を見出していて、難関大学への進学実績も多数出しています。また、家庭教師派遣事業も好調で、「100%プロ社会人講師」による指導をしており、とにかく生徒1人1人にフォーカスして質の高いサービスで差別化を図ろうとしていることがわかります。
【最新】2024年10月10日中間決算内容
10月10日の引け後に発表された中間決算内容です。
第2四半期経営成績について
一見、通期予想に対する進捗が34.9%にとどまっていて、経常利益も前年同月比で1.2%しか改善されていないことに物足りなさを感じてしまいます。
しかし、前年同期比で売上高は3.2%上昇し、販管費が圧縮されたことで営業利益が2.5%改善しています。また、純利益は法人税額の減少で26.3%も上昇しています。
第1四半期の経常利益がマイナス362百万円で前年同期比43百万円減少していましたが、その第1四半期分の遅れを取り戻しつつ、わずかながらも前期を上回って中間決算を着地したことは評価できる決算内容だと思います。
授業料の値上げと不採算校の統廃合、人件費や電気代等の経費削減によって利益構造の改善の結果ですので、第3四半期、第4四半期にかけてさらに経常利益が回復してくるのではと推測できます。
第2四半期決算短信のコメント
当社グループの経営成績は、受験後の卒業等により生徒数が変動することから、新学期スタート時期である第1四半期連結会計期間を底とし、講習会授業を実施する第2・第4四半期連結会計期間に大きく膨らむ季節的な変動要因があるため、第2・第4四半期連結会計期間と比較して、第1・第3四半期連結会計期間の収益性が低くなる傾向にあります。
セグメント別の経営成績は、次のとおりとなります。
①TOMAS(トーマス)[学習塾事業部門]
完全1対1の進学個別指導による高品質な教育サービスを提供し、売上高は8,012百万円(前年同期比2.7%増)、内部売上を含むと8,012百万円(前年同期比2.7%増)となりました。
当第2四半期連結会計期間におきましては、TOMAS練馬校(東京都)、TOMAS四ツ谷校(東京都)を移転リニューアルいたしました。
②名門会 [家庭教師派遣教育事業部門]
100%プロ社会人講師による教育指導サービスの提供に加え、全国区へ事業展開を図っており、売上高は2,334百万円(前年同期比0.6%減)となりました。
当第2四半期連結会計期間におきましては、名門会広島駅前校(広島県)をリニューアルいたしました。
③伸芽会 [幼児教育事業部門]
名門幼稚園・名門小学校受験業界でトップクラスの合格実績を誇る既存事業「伸芽会」に加え、受験対応型の長時間英才託児事業「伸芽’Sクラブ(しんが~ずくらぶ)」の2つのブランドの充実を図り、売上高は3,103百万円(前年同期比2.1%減)、内部売上を含むと3,122百万円(前年同期比1.5%減)となりました。
④スクールTOMAS [学校内個別指導事業部門]
学校内個別指導塾「スクールTOMAS」の営業展開を推し進め、売上高は1,429百万円(前年同期比15.5%増)、内部売上を含むと1,429百万円(前年同期比9.8%増)となりました。
⑤プラスワン教育 [人格情操合宿教育事業部門]
情操分野を育む多彩な体験学習サービスの提供を行い、売上高は1,052百万円(前年同期比20.1%増)、内部売上を含むと1,058百万円(前年同期比18.6%増)となりました。
当第2四半期連結会計期間におきましては、TOMAS体操スクール三田校(東京都)を新規開校いたしました。
⑥その他の事業
売上高は9百万円(前年同期比24.8%増)、内部売上を含むと70百万円(前年同期比5.4%増)となりました。
第2四半期 損益計算書
四季報
2023年秋号の四季報コメントです。
【上向く】開校10、閉校5 見込む。幼児教育は競争激化で苦戦。が、主力の『TOMAS』に加え学校内個別指導の受託が順調。授業料値上げや不採算教室閉鎖も後半寄与。賃上げ負担こなし営業益反発。減配。
【改善策】幼児教育『伸芽会』は11月に関西の不採算2校閉、月額授業料も17%値上げ方針。今期から3年計画で事務・入会手続き、生徒情報管理のIT化を全社推進。
配当利回り
リソー教育の配当利回りは市場全体を見回すと比較的高い水準です。2022年2月期と2023年2月期は年間配当16円でしたので、4%を超える配当利回り率でした。また、株価水準が300円前後で推移してきたので、配当狙いの個人投資家の方にとっても中長期で買いやすい銘柄として魅力的でした。
しかし、今年の4月にそれまでの「株主還元率100%」から方針転換となり、内部留保の確保のため配当性向50%以上を目指すとされて、10円に減配となってしまいました。
それでも、株価水準が250円付近まで下がってきて、現在は配当利回り4%ほどですので、十分に高配当の銘柄だと思います。また、期中での配当額の修正はここ5年間ではありませんので、業績に関わらず、予告した配当額はきっちりと守る傾向の会社であることがみてとれます。
株価チャートの推移
6か月の日足チャート
このチャートはここ半年間日足です。今年の1月に373円をつけてから滑り台のような下降線をたどってきています。そして、10月4日に233円をつけました。実に高値から140円も下げています。
この下げチャートの要因は人件費や電気代などの販管費が増加したことにより業績が落ちていたということもありますが、4月21日に発表された配当方針の変更によって16円から10円に大幅に「減配」となったことが、大きかったのだと思います。
バリュー株を中心に日経平均がアゲアゲの時期も底を這うような値動きを続けてきましたので、リソー教育の株を持ち続けてきた個人投資家の方のストレスは相当なものだったと思います。
さすがに底打ち反転?
このチャートは直近10年の月足です。ある意味ではとても素直でわかりやすいチャートを描いています。
2017年に240円を上回ってからは、240円付近までくると反発しています。240円以下になると配当利回りも4%を超えてきますので、さすがに底打ちと見ていいと思います。あとは、年末、配当月、次期予想と経ていく中で、どこまで値を戻していくかを注視していきたいです。
需給データの確認
信用倍率
9月29日時点で信用倍率は「4.43」です。4~5の間で推移することが多かったので、とりわけ高くも低くもないといったところですが、5月19日に200万あった買残が100万増えて300万を超えてしまっていることが、やや気がかりではあります。
機関投資家の空売り情報
リソー教育は元々空売り機関から狙われやすい銘柄ではありますが、9月下旬から各社とも売り増ししています。3つの機関の合計が470万株ですので、何か材料がでて買い戻しがはじまると一気に株価が上昇する可能性も秘めています。
モルガン・スタンレーMUFG 1,960,426
Merrill Lynch international 1,021,271
GOLDMAN SACHS 1,725,126
合計 4,706,823
*あくまでわたしの私見によるものですので、株の売買は自己責任でお願いいたします
歴10年のアラフォー投資家 / FP2級保有/元上場企業の経理
日本の中小型株でのキャピタルゲインを目指しています。
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「捕らぬ狸の皮算用」は失敗のもと
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